「多摩地区そして日本各地の画像集」管理人のS崎の都市訪問記


2009年4月25日・熱気と活気〜台北の商店街と夜市めぐり


昨年の7月にフランスを訪れて以来、約9ヶ月ぶりに海外旅行に出掛けました。
目的地は初訪問となる台湾(中華民国)の首都・台北です。
夜勤明けで職場近くから直接、成田空港行きのリムジンバスに乗り込み、4/14の19時発のJAL649便で一路台北を目指します。
成田では混雑か何か(半分寝ていたので、理由はよく解らず)で離陸が大幅に遅れ、桃園国際空港に到着したのは、現地時間で
午後10時半頃でした。ちなみに日本と台湾の間には時差が1時間あります(台湾が1時間遅れている)。
桃園国際空港からリムジンバスで台北市内中心部までは約40分ほどで到着します。
バスの車窓と、バス停からホテルの道すがら眺める台湾の風景は日本の風景と酷似した印象を受けました。
ただ、この日は夜勤明けでヘロヘロになっていたので、ホテルにチェックイン後、むさぼるように眠りました。

台北一日目
今回の宿はMRT民権西路駅の近くにあるサンルート台北という日系のビジネスホテルに宿を取りました。
ホテルの客室からは大通りの交差点がよく見渡せるのですが、起床後、窓外の景色を見ると、物凄い数のバイクが見られました。
 ←宿泊先から見る交差点の様子

台北では手軽な移動手段としてバイク(スクーター)が利用されているようで、老若男女、みんなスクーターを利用しています。しかも、
2人乗りのスクーターも多く、中には3人乗りのスクーターも何回か見掛けました。
ただ、他のアジア諸国はもっと凄いらしく、ベトナムなどのインドシナは「バイクの洪水」らしいです。さらにバングラデシュやインドなど
に至ると、これが「濁流」になるらしいです。

ホテルで朝食を済ませた後、MRTの民権西路駅まで移動しました。MRTは台湾語で「捷運」と表記される新交通システムの事です。
市の中心部は地下鉄になっていますが、一部、高架を走る区間もあります。
民権西路駅でヨーヨーカという日本で言うsuicaやicocaのようなプリペイドカードを購入し、民権西路駅から台北駅までMRTで移動し
ました。
台北駅は台湾国鉄の一大ターミナルで非常に立派な駅舎です。また、駅前も大型ホテルや百貨店が配置された貫禄のある風景となっ
ています。
 ←台北駅前

台北駅周辺の繁華街は台北駅の南から総統府辺りまでの一画に広がっています。街区を南北に貫く重慶南路を軸に数多くの路地
に商店街が形成されています。雰囲気的には日本の所謂「駅前繁華街」の雰囲気とよく似ています。ただ、日本の繁華街と比べると、
看板が大きく、色使いも派手なので、より迫力のある街並みになっています。
台北駅周辺の繁華街はこの後も何度か乗り換えなどで歩いていますが、夕方以降は一段と賑やかになります。
 ←台北駅周辺の繁華街

この後、総統府、二二八和平公園、中正紀念堂などの観光名所をざっと見て周った後、西門の街を歩きました。
西門はMRT西門駅の西側一帯に広がる繁華街です、台北の繁華街の中では長い歴史を有しています。
歩行者天国となっている通りが網の目のように伸びており、これらの通りを囲むように、中華路、成都路、昆明路などの大通りが伸び
ています。ガイドブックによると、現在の台北の繁華街は忠孝東路を軸にした東區に移っているそうですが、私の感覚からすると、歩
行者天国の整備された西門が台北の中心繁華街だと感じます。
西門地区はメインストリートだけでなく、裏路地にも飲食店やファッションショップが集積されており、街歩き好きには大変楽しめる地区
となっています。

西門で麺線というカツオで出汁をとった麺を食した後、昆明路を南下し、龍山寺界隈の繁華街を歩きました。
この地区は龍山寺という大きな寺院の門前町として栄えた地区のようです。寺院の周辺にはご老人を中心に大変、多くの人で賑わっ
ています。台北の夜市の中でも有名な華西街観光夜市も龍山寺の近くに立地しています。この夜市は全蓋式のアーケードが設置され
ています。私は夕方に歩きましたが、開いている店はちらほらとしか見受けられませんでしたが、夜は凄い人出なのでしょうね。また、
この近くには新富市場という市場があり、この市場にも全蓋式アーケードが設置されています。アーケードマニア的にはこの地区が一
番楽しめました。
この地区には地下街もあります。MRT龍山寺駅と龍山寺の間に地下1階、2階の2階建て(?)の地下街が形成されています。

この後、路線バスを乗り継いで、永康街という地区を訪れました。この地区は中正紀念堂の東手に立地しています。
信義路という大通りの南側に南北に伸びる、永康街、麗水街という二本の通りを軸に繁華街が形成されています。
私が持参したガイドブック(昭文社「新個人旅行・台湾 '09-'10)に1ページ割いて地図が掲載されていたので、訪れてみたのですが、
繁華街としてはこじんまりとした印象で、観光客が訪れる地区というよりも地元の人の生活する場所の臭いが漂う地区です。
この地区には世界的に有名な小籠包のレストラン・鼎泰豊が立地しており、ここに観光客が集まっているようです。私も訪れみようか
と思いましたが、混んでいたので、自助餐というセルフ形式の食堂で食事を摂りました。
この自助餐は好きな料理を自分で選ぶ事が出来、かなり安い料金(台湾自体日本から比べるとかなり物価が安い)で腹いっぱい食事
を摂ることが出来ます。台北滞在中の夕食は各地の自助餐でばかり摂っていました。
 ←自助餐の食事の一例。これで100元(日本円で約350円)

この後、路線バスで台北駅まで戻り、台北駅前地下街を歩きました。
この地下街は台北駅の南側に東西に伸びる忠孝西路の地下に形成されています。全長約400mほどの地下街です。

この日はこの後、台北駅前の繁華街でCDショップや書店をのぞいた後、路線バスでホテルに戻りました。

台北二日目
二日目はまず、路線バスを乗り継いで、市内南東部にある信義新都心を訪れました。
この地区はかつて世界一の高層ビルだった台北101が立地している事で知られている地区です。
まずは台北101の展望ロビーから台北の街を見渡してみました。この展望ロビーは地上378mに立地しており、東京タワーの最上階
より高い位置になります。
この日は天候がイマイチで靄がかっており、展望は残念ながらあまりよくありませんでした。
 ←台北101

信義新都心はこの台北101のほか、台北市政府庁舎や大型商業施設、オフィスビル、高層住宅を配置した日本でもよく見られる新都
心の景色となっています。この手の街には最近は興味がないので、駆け足で周り、東區の繁華街を目指しました。

東區の繁華街は信義新都心の西側一帯に広がる繁華街です。
地区を東西に貫く忠孝東路を軸に繁華街が形成されています。この忠孝東路の周辺のありとあらゆる通りに中小商店が並んでおり、
かなりボリュームのある繁華街となっています。西門が若者中心の繁華街なのに対し、東區はオフィスビルも多数立地している事から
年齢層は西門よりも高めに見受けられました、
この地区にも地下街が形成されており、忠孝東路沿い、MRT忠孝敦化駅を挟んで東西に伸びています。この地下街は全長700mほど
で、なかなか歩き応えのある地下街でした。
 ←東區の繁華街(延吉街)

この後、路線バスを乗り継いで、今度は迪化街を訪れました。
迪化街は台北駅の北西、淡水河の東側に形成された地区になります。淡水河水運の倉庫街として古くから栄えた地区で、歴史的な建
造物が多く残る地区になっています。地区を南北に貫く迪化街通り沿いに歴史的な建造物が多く残っています。この通り沿いの商店は
漢方薬材を扱う商店が多く、独特の雰囲気が漂います。
また、この通りのほかにも延平北路、民生西路などの大通り沿いにも商店が並んでいます。
台北の大通りの歩道側は大部分が日本の「雁木」のような片屋根式アーケード形状になっており、日本で言う大通りとは雰囲気が大分
異なります。台北の繁華街は「密度が濃い」と感じましたが、こうした感覚は大通り沿いの形状による部分も大きいと思います。
 ←「雁木」のような台北の大通り(延平北路)

この後、台北駅前まで戻った後、台北駅近くの自助餐で夕食を食した後、ホテル近くまで路線バスにて移動しました。
ホテルの近くを少し散策してみたら、晴光徒歩商店街という商店街に出くわしました。この商店街は全蓋式アーケードが設置された商店街
です。この辺りはあまり観光客が訪れる場所ではないので、地元の人の生活商店街の趣が色濃く出ており、歩いていて面白かったです。
画像はあまり撮影していませんが、思わぬ商店街が発見でき、良かったです。
 ←晴光徒歩商店街

台北三日目
台北三日目、この日は台北駅の北側に広がる中山の繁華街を歩きました。
この地区はMRT中山駅を中心とした繁華街で、地区を東西に貫く南京西路、南京東路、南北に貫く中山北路、承徳路を軸に繁華街が形
成されています。裏路地にも商店の集積は見られますが、全体的に大通り中心の造りになっています。MRT中山駅は人通りも多く、特に
賑やかさを感じました。
この中山地区にも中山地下街という地下街が形成されています。台北駅からMRT沿いに中山駅を経て、一つ北隣の雙連駅まで続く、全
長約1キロになんなんとする、かなり長い地下街です。MRT中山駅とMRT雙連駅の間は書店ばかりが並ぶ書店街になっています。
台北の地下街はバラエティに富んでいてなかなか面白いです。
 ←中山地下街の広告。「全国最長的書街」と書かれています

中山を歩いた後、MRTで台北市内南部の街、公館を訪れました。
この街は国立台湾大学を中心に開かれた街で、台北の学生街になっています。
街を南北に貫く羅斯福路を中心に繁華街が形成されています。ちなみに「羅斯福」は「ルーズベルト」と読みます。セオドアかフランクリンは
解りませんが、恐らくアメリカ大統領の名前が由来なのでしょう。
この街には永源市場という市場も立地しており、市場周辺はかなり密集感のある商店街が形成されています。羅斯福路沿いのすっきりし
た印象と、永源市場周辺の密集感のある街並みの対比が楽しめます。
  ←左・羅斯福路 右・永源市場近くの汀州路

この後、路線バスで今度は市の北部に立地する士林の街を訪れました。
士林は夜市で日本人にも有名な街です。
地区の東端に南北に伸びる文林路の西側一帯の狭い路地いっぱいに多くの中小商店が並んでいます。私は夕方頃に訪れましたが、
既に多くの人で賑わいを見せていました。また、この日は媽祖誕生祭という台湾の祝日の前日で、士林の街のちょうど真ん中に立地す
る慈誠宮という寺院では祭りが行われており、中国式に盛大に爆竹が焚かれていました。
夜市で食事をしようかとも思いましたが、あまり食べたいものがなかったので、MRT民権西路駅前にある自助餐で夕食を摂りました。
この後、前日訪れた晴光徒歩商店街を再訪し、地元の物産品などを数点購入した後、この商店街に隣接する夜市の屋台で台湾最後の
晩餐という事で、牛肉入り台湾焼きそばを食し、ホテルに戻りました。

帰国の途
翌日はいよいよ帰国です。
ホテル近くから桃園空港までのリムジンバスが出ているのですが、普通に帰っても面白くないと思い、台北駅から特急列車で桃園市まで
出た後、バスで空港に行く事にしました。
台北駅から桃園市の中心駅、桃園駅までは30分で到達します。
桃園は人口35万人を超える中堅都市で、桃園駅前を少し歩いてみましたが、なかなか賑やかな街並みでした。
  ←桃園駅周辺の様子

桃園駅前から路線バスで一路桃園空港を目指します。
路線バスの車内から桃園の街並みを見ていましたが、大通り沿いには中小商店が並んでおり、かなり大きな繁華街が形成されているよ
うでした。いずれは桃園の街もじっくりと歩いてみたいですね。
途中、蘆竹という鉄道の通っていない小さな街を通りましたが、この地区も人通りが多く、我が国の中心市街地の現状と比較すると、かな
り羨ましい状況のように感じました。
 ←蘆竹の中心部(バスの車内から撮影)

本当はこのまま成田行きのJAL便で帰国する予定だったのですが、路線バスが渋滞に巻き込まれ、帰国便に間に合わないというアクシデ
ントに見舞われました。翌日便を含めて後発の成田便は全て満席で振り替えが出来ないとのこと、他の航空会社も中華航空始め成田便は
全て満席、やむなく名古屋行きのJAL656便を新規に購入して、名古屋経由で帰国する事にしました。
離陸を待つ間、ラウンジに案内してもらえました。空港のラウンジに入るのは初めてでした。小籠包などの点心やサンドイッチが食べ放題だっ
たので、卑しいとは思いながらも、腹いっぱい、頂きました。
JAL656便は20時50分に中部国際空港に到着、中部国際空港発21時16分の名鉄線に乗らないと、東京行きの最終新幹線に間に合いませ
ん。かなり急ぎ足で諸手続きを行い、ギリギリで名鉄線に間に合いました。
名古屋駅で最終の新幹線に無事乗り換え、なんとか帰宅する事が出来ました。
 ←旅行の締めくくり、予定外の名古屋駅

台湾の繁華街、商店街はどこも非常に活気に満ち溢れ、歩いていて楽しめる場所ばかりでした。
また、物価が日本に比較して非常に安く、治安も良いので、とても旅行のしやすい国でした。
日本からは飛行機も頻発していますし、飛行時間も比較的短く、料金も安いので、訪れやすい国でもあります。
私も台湾はぜひ再訪しようと思っています。
皆さんも一度台湾を訪れてみてはいかがでしょうか?

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私の近況
【最近読んだ本】
「反貧困」湯浅誠(岩波新書)

【本日のBGM】
「空港」テレサ・テン(作詞・山上路夫 作曲・猪俣公章 編曲・森岡賢一郎 1974年)
雨の空港 デッキにたたずみ
手をふるあなた 見えなくなるわ
どうぞ帰って あの人のもとへ
私はひとり 去ってゆく