「多摩地区そして日本各地の画像集」管理人・S崎の都市訪問記


2009年10月6日・街めぐり津軽場所



そう言えば、今年は東北地方に行っていないな、と思い、青森県に行く事にしました。
東京から青森までの移動は新幹線や夜行列車などの手段もありますが、今回は往復とも飛行機を利用しました。
青森空港には最近何かと話題のJALしか就航していません。余談ですが、私はJALマイルを貯めており、もうすぐ北米への往復航空
券と交換出来る5万マイルが貯まります。最近のJAL再建のニュースを見ていると、このマイルがご破算にならないか、個人的に戦々
恐々しています。まあ、それ以上に地方経済に打撃を与えかねない地方航路の大幅縮小は避けて頂きたいと思います。公共の福祉
の観点からも地方交通網に対してはもっと公的支援が必要だと思っています。
それはさておき。
JAL1201便で羽田空港を7時20分に離陸、青森空港には8時40分に到着します。
青森空港から手配していたレンタカーに乗り込み、まずは木造の街を目指します。青森空港からは小一時間で到着します。

木造
木造は現在では、森田、柏、稲垣、車力の四村と合併し、現在では「つがる市」となっています。
旧木造町にある亀ヶ岡遺跡から遮光器土偶という土偶が発掘されており、これが木造の街のシンボルにもなっています。木造駅舎に
はこの遮光器土偶の巨大なオブジェが取り付けられており、度肝を抜かされます。全国で色んな駅舎を見てきたつもりですが(私は駅
舎マニアではありませんが)、ここまでユニークな駅舎もなかなかお目にかかれないと思います。
商店街は木造駅前から北方向に伸びる県道241号線沿いに形成されています。駅前から断続的に商店が並んでいますが、中心地は
駅前から400mほど北に進んだ木造郵便局の界隈になります。
青森県津軽地方の商店街の特徴といえば「こみせ」です。「こみせ」とは雁木とほぼ同義の言葉で、伝統的な片屋根式アーケードの事
を指します。木造の後に訪れる黒石市のものが特に有名です。木造(きづくり)の「こみせ」は伝統的な木造(もくぞう)作りのものではな
く、近代的な鉄鋼製のものに立て替えられていますが、道路側にガラスがはめ込まれており、二重窓のような構造になっています。こう
した形状の片屋根式アーケードは初めて見ました。今回訪れた津軽地方の街では木造以外ではこうした形状の「こみせ」はどこでも見
かけませんでした。これが木造独特のものなのか、それとも津軽の他の街にも存在するのか、確認するために「また津軽さ行がねば、
まいねな」(津軽弁で「また津軽に行かないと駄目だな」の意)。
 ←度肝を抜かれる木造駅

黒石
木造を訪れた後、国道339号線、県道110号線、県道38号線を経由して、黒石市に向かいました。
国道339号線は鶴田、板柳、藤崎の各町の中心部を通ります。どこもそれなりの商店街が形成されているようでしたが、中でも板柳町
の商店街は立派なものでした。余談ですが、板柳町と言えば角界一の人気者・高見盛関の出身地です。津軽地方は出身力士が多く、
幕内力士だと高見盛の他に、安美錦(鯵ヶ沢町)、若の里(弘前市)、岩木山(弘前市)、将司(深浦町)がいます。相撲好きとしては多
くの力士を輩出している津軽地方はリスペクトする土地です。

黒石市の中心部は黒石駅の東南一帯に形成されています。南北方向に一番町通り、銀座中央の両商店街、東西方向に横町、上町
の両商店街が形成されています。一番町通り、銀座中央の両商店街の東側には、こみせ通り商店街も形成されています。この商店街
は黒石市の街並みを特徴付ける伝統的な「こみせ」が保存されています。ここは観光開発もされており、一部の建物は観光案内所とし
て活用されていたり、ポケットパークのようなものが整備されてもいます。
また、横町商店街の北側には飲食店が中心の商店街も形成されており、ここは歓楽街となっているようです。
全体的に結構な規模の商店街となっています。弘前市という大きな街が近距離にありながら、これだけの規模の商店街が形成されてい
るのは驚きです。
 ←こみせ通り商店街

津軽尾上
黒石市を訪れた後、尾上の街を訪れました。尾上は、平賀町、碇ヶ関村と合併し、平川市となっています。
尾上の街の中心部は津軽尾上駅周辺になります。黒石市の中心部から2.5キロほどしか離れておらず、商店街も小ぶりなものになって
います。おのえ商店街という商店街が津軽尾上駅前から鍵型に形成されています。小ぶりな商店街ながら、独自のお菓子を作っている
洋菓子店や和菓子店、人気を集めていそうな食堂など、面白そうな商店がいくつかありました。

平賀
次いで、同じ平川市の平賀を訪れました。
中心地は平賀駅の東側一帯になります。商店街は平賀駅前から東方向に伸びる県道282号線沿いと、この県道282号線と南北に交わ
る県道109号線沿いに形成されています。県道282号線沿いは歩道が大きく取られ、綺麗に整備されているのに対し、県道109号線沿い
は昔ながらの景観がそのまま残されており、これらの新旧の風景の対比が楽しめます。

大鰐
この日、最後の訪問地は大鰐町になります。大鰐の街はJR大鰐温泉駅、弘南鉄道大鰐駅の周辺になります。
この街はJRの駅名が示す通り、大鰐温泉という温泉街となっています。
商店街は大鰐温泉駅前から東方向に伸びる手古奈通り商店街が形成されています。この商店街を東に進み、平川を超えると、ゆけむ
り通り商店街に至ります。また、これらの商店街の北側、JR奥羽線の南側に並行して伸びる県道201号線沿いにも商店の集積が見受
けられます。大鰐の街には公衆浴場が散々していますが、商店街にはお土産物屋などはあまり目立たず、山間の落ち着いた街の風情
となっています。ただ、幅員の小さい道路に密集感のある商店街という風景は温泉街でよく見られる景観となっています。観光地化され
ていない地元の人向けの温泉街となっています。

この日は大鰐温泉で湯浴みをした後、青森駅前のレンタカー事務所にレンタカーを返却、レンタカー事務所の隣にあったラーメン屋で
遅い夕食を摂った後、青森駅前のホテルにチェックインし、しばらくニュースなどを見た後、就寝しました。

翌日は朝6時半頃に起床、朝食をホテルで摂った後、青森駅へ移動し、8時35分の奥羽線弘前駅普通電車に乗り込み、浪岡の街を目
指します。浪岡には9時8分に到着します。
 ←ホテルから望む青森港の様子

浪岡
浪岡は2005年までは単独で町政を施行していた街ですが、現在は合併し、青森市の一部になっています。
浪岡の中心部はJR浪岡駅の東側の一帯になります。
商店街は浪岡駅前から東方向に伸びる県道235号線、34号線沿い、県道34号線と青森市役所浪岡庁舎を東西に結ぶ通りと、この通り
の北側に並行して伸びる通りに形成されています。
商店街は密集感のある商店街となっており、歩いていてなかなか楽しめました。
 ←県道34号線の風景

青森市中心部
浪岡の街を歩いた後、浪岡駅10時26分の奥羽線普通電車で移動、土曜日という事もあり、青森市中心部へ遊びに繰り出す多くの人で
車内は満員となっていました。
青森駅には10時51分に到着。ここから青森市の中心部を歩きます。青森市は2004年9月に一度訪れているので、5年ぶりの再訪となり
ます。
青森駅前から東方向に伸びる新町通りが青森市の繁華街になります。青森駅前に立地するアウガと言う複合ビルや、アウガの近くに立
地するパサージュ広場という二つの施設はコンパクトシティを目指す青森市の中心市街地開発の象徴とされている施設になります。実際、
どちらの施設も多くの人で賑わっており、中心市街地活性化の成功事例として紹介されているだけのことはあるな、と思いました。アウガ
の中には図書館も入っています。図書館の中も見てましたが、大きなガラスで外の景色がよく見渡せるようになっており、旧来の図書館
の陰気な雰囲気のない、明るい図書館となっています。私が訪れた日にはこの新町通りでは路線バスの通行に関する社会実験が行わ
れており、中心市街地活性化に熱心な青森市の姿勢を垣間見られました。
この新町通りと南北に交わる形で昭和通り、夜店通り、アスパム通り(八甲通り)などの商店街が形成されています。
また、新町通りの南側に並行してニコニコ通り商店街が形成されています。この商店街の周辺は伝統的な市場の雰囲気が色濃く残って
おり、新町通りの華やかな雰囲気と、ニコニコ通り商店街周辺の下町的な雑踏感の対比が楽しめます。
青森駅の東約800mほどの地点で南北に伸びる柳町通りの東側の本町一帯には飲食店などが並ぶ歓楽街が形成されています。
国道4号線、7号線沿いには古川バス停付近から塩町交差点付近まではオフィスビルや県庁、市役所などの公共施設が並ぶ業務地区と
なっています。この通りは6車線のダイナミックな大通りとなっています。国道7号線の南側は全体的に住商混在地区となっています。
中心部には青い森公園、青い海公園という二つの都市公園が立地しており、青森駅の北側には青函連絡船のメモリアルシップの八甲田
丸、青森ベイブリッジ、青森ラブリッジなども立地しています。全体的に清潔感のある美しい街が整備されています。
中心市街地活性化の点からも注目すべき施設がいくつかありますので、この分野に興味のある方はぜひ訪れてみて下さい。
 ←新町通り

青森市の中心部を歩いた後、青森駅付近に立地するスーパー銭湯で疲れを癒した後、青森駅前から空港連絡バスに乗り込み、青森空
港へ移動、青森空港発20時45分初の最終便で羽田空港へ、羽田空港からはリムジンバスで八王子へ移動し、帰宅しました。
今回の街めぐりで津軽地方の街に対する関心がさらに高まりました。今回通過のみだった板柳などの各町などもいずれはじっくりと歩いて
みたいですね。

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【私の近況】
足利事件について色々調べたのですが、警察、検察という組織機構の問題もありますが、それらの発表を無批判に受け入れるメディアの報道体制にも問題があると思います。

【本日のBGM】
「帰ってこいよ」松村和子(作詞・平山忠夫 作曲・一代のぼる 編曲・斉藤恒夫 1980年)
可愛いあの娘(こ)の 帰る日を
お岩木山で 今日も又
津軽の風と 待っている
忘れはしまい あの約束の
こんなにきれいな 茜空
帰ってこいよ 帰ってこいよ 帰ってこいよ